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2020年12月9日水曜日

コーヒーを飲みに4(了)


 スペシャリストが入れてくれたコーヒーはやはり美味しく、私が適当にいれたインスタントとはまるで違います。私が入れたのは何という花我が強いホストを喉で遊ばせ、その強い攻撃性によって無理やり精神を快方に向かわせるのに対して、スペシャリストのコーヒーは味蕾に寄り添う感じがあります。

先ほどの星型の砂糖がこの中に入っているということは宇宙を飲んでいるのと同じ。そういう想像を熱心にしながら、体内に取り入れた星の文章取り入れた宇宙を感じ取ろうと体の中を深く観察していると、なんだか体と精神の深淵を覗いている気がして、ぞっとして途中でやめました。


サンドイッチはほんのりとトーストしてあって、お腹にたまるかたまらないかの分量を絶妙に計算しているようです。噛むと少し甘めのスクランブルエッグがたっぷりとまろび出て、充実感に溢れます。


お客さんがいないので、静けさを独り占めしながらぼんやりと暮れ行く舞鮫町の街並みを、心行くまで視覚で受け止めました。


2020年12月3日木曜日

コーヒーを飲みに3

 カフェの店員はぼんやりしていたのかはっと我に返り、コーヒーを淹れ始めてくれます。

カウンターからは去年まで人気だった要因の一つである、「ごちゃごちゃした機械からコーヒーを抽出する様子が見られる」という良い要素が光が反射するアクリル板に隠れてしまい、重要な部分が光で見えなくなってしまっていて残念でした。

ただ所々煙が上がったりする部分を見えるので、帰って隠れている部分のことを考えさせられてドキドキしてしまいました。店員さんが適材適所で素早く入れてくれたコーヒーは、ガラスのコップになみなみと注がれて出てきました。

砂糖の壺を開けると星の形に固めた頭がたくさん詰まっていました。とても綺麗です。


そのうちの小さな星を小さなトングでつまみます。


それからコーヒーの上に少しの間浮かべていると、サラサラと黒い夜空のようなコーヒーの中に溶けていきました。


2020年12月2日水曜日

コーヒーを飲みに2

 中に入って手を消毒し、席に着くとまず、おでこの温度を測られました。


非接触型の体温計のようです。熱は36°3分、私にしてはわずかに熱っぽかったです。


家にあるのは脇に挟むタイプなので、いつか私も体温計のトリガーを引いてみたいなと思いました。(手を上げろ!むむっ三十七度…お前はもう風邪を引いている…というネタをやりたい。)


体温をクリアしたので、水とおしぼりとメニューを持って来てもらえました。


メニューはざっくりいうとコーヒー各種と軽食です。


私はその中からアメリカンコーヒーと、バラサン(バラエティサンドイッチのこと)を頼みました。


来るまでの間サーモグラフィーのアプリをダウンロードして店内の人々の体温を眺めて遊んでいました。


中に入って手を消毒し、席に着くとまず、おでこの温度を測られました。


非接触型の体温計のようです。熱は36°3分、私にしては少し熱っぽかったです。


家にあるのは脇に挟むタイプなので、いつか私も体温計のトリガーを引いてみたいなと思いました。(手を上げろ!むむっ三十七度…お前はもう風邪を引いている…というネタをやりたい。)


体温をクリアしたので、水とおしぼりとメニューを持って来てもらえました。


メニューはざっくりいうとコーヒー各種と軽食です。


私はその中からアメリカンコーヒーと、バラサン(バラエティサンドイッチのこと)を頼みました。


来るまでの間サーモグラフィーのアプリをダウンロードして店内の人々の体温を眺めて遊んでいました。





2020年12月1日火曜日

コーヒーを飲みに1

 皆さんこんばんは日橋喩喜です。


新しい世界を開拓すべく、今までに行ったことのないカフェに行くことにしました。そのお店は大きな通りに面していて、昨年の今頃は多くの人で賑わっていましたが、今年は誰も外に並んでいません。


閉店になってしまうような、ウイルス感染者を出してなくて良かったね、とも思いつつ、お店の人の心中を思うと、自分の心が入店と不入店との間で自己矛盾を起こして、考えることを捨てて、この悩みから解放されるためならお金を払って済ませたい気持ちに駆られるのです。


そこで思い切って入ってみたそのお店は誰もいませんでした。中にはマーブル模様の机にふかふかの椅子。美味しいコーヒーを飲める気がしてゴクリと生唾を飲みました。