スペシャリストが入れてくれたコーヒーはやはり美味しく、私が適当にいれたインスタントとはまるで違います。私が入れたのは何という花我が強いホストを喉で遊ばせ、その強い攻撃性によって無理やり精神を快方に向かわせるのに対して、スペシャリストのコーヒーは味蕾に寄り添う感じがあります。
先ほどの星型の砂糖がこの中に入っているということは宇宙を飲んでいるのと同じ。そういう想像を熱心にしながら、体内に取り入れた星の文章取り入れた宇宙を感じ取ろうと体の中を深く観察していると、なんだか体と精神の深淵を覗いている気がして、ぞっとして途中でやめました。
サンドイッチはほんのりとトーストしてあって、お腹にたまるかたまらないかの分量を絶妙に計算しているようです。噛むと少し甘めのスクランブルエッグがたっぷりとまろび出て、充実感に溢れます。
お客さんがいないので、静けさを独り占めしながらぼんやりと暮れ行く舞鮫町の街並みを、心行くまで視覚で受け止めました。