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2019年8月22日木曜日

無くなった公園


みなさんこんばんは。日橋喩喜です。

今日は、月がやけに明るい気がします。電灯の少ない空き地に咲く、大きな向日葵を明るく照らす月を見てそう思いました。

ここは昔公園でした。ジャングルジムや滑り台。ブランコやシーソーがあって、近所の子ども達で毎日賑わっていました。

だんだんと施設が老朽化し、今から10年ほど前に遊具の撤去が始まりました。初めはジャングルジム。これは、みんな納得していました。ペンキが剥げて赤く錆びた鉄棒を誰も使わなくなっていたからです。ジャングルジムの跡地はぽっかり空いてしまいました。

なんとなく、みんな新しいジャングルジムがくるだろうと思ったり静かに噂していましたが、10年たったいまでも補充はありません。

次になくなったのは、滑り台。これにはみんな反対でした。子ども達は、急な滑り台を気に入っていたからです。でも、誰に文句をいっていいか子ども達は分からず、象徴を失った公園からは子ども達の足が遠のきました。

その次になくなったのはブランコとシーソーです。危ないという張り紙が数日張られた後、いつの間にか無くなっていました。あとには、ベンチがぽつりぽつりと点在するだけです。

子ども達は公園に遊びに来ることはなくなりましたが、代わりにおじいちゃん、おばあちゃんがやってきました。ゲートボールに最適な空き地だったからです。

しかし、ゲートボールは一瞬の流行りで、最近は舞鮫町ゲートボール人口の高齢化が更に進んだのか、人っ子一人居ません。老人達はみんなあの世に行ったとして、子ども達はどこにいってしまったのでしょうか。

何もなくなった公園に、昨年、スプリング遊具が申し訳なさそうに設置されました。しかし、その空き地には誰も来ることはありません。

遊ばれない馬と牛の二頭の遊具は寄り添って月の明かりを受けています。





公園で、以下のような遊びをしてはいけませんという看板だけが、ここがかつて公園だったことを教えてくれるのでした。