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2019年12月2日月曜日

日橋旅行記(鹿児島)


皆さんこんばんは日橋喩喜です。

11月の終わり頃、私にとってそんなに親交のなかった親戚の数回忌のために鹿児島に行ってきました。

父親も母親も親戚と最近の近況を話し合う中で、私は特に縁が遠かったもので、私には見覚えがないけれど、私を見覚えのある親戚は、「大きくなったね」の親戚台詞お決まりの繰り返し繰り返し言ってはビールを飲み、飲んでは眠ってしまって、法事が終わった後は暇で暇で仕方がありませんでした。

こういう時にどのように振る舞えば良いのか、皆目検討もつかない私はTwitter を見ては他の vtuber の方々が楽しそうにしている様子を羨ましげに眺め、机の下で足の裏を擦り合わせながら、お酒を飲むわけではないのに用意されているおつまみをただひたすらに口に運び続けるのでした。

堂々と Nintendo SWITCH を遊ぶわけにもいかないものですから、 近場で何か美味しいお店がないのかと行くあてもなくグーグルマップをザッピングしておりましたら、急に天文館むじゃきの白熊が食べたくなりました。

しろくまというのはご存知の方もいるかもしれませんが、キングオブかき氷のことを指します。

子供の頭はあるだろうと言う山盛りの氷にたくさんの練乳がかかっており、フルーツやらまめやらがたくさん乗っかっているやつです。

なんだか私は急にそれが食べたくなって、もう冬も近づき、全てを一人で食べれば風邪をひくことが必至であることは頭の片隅でわかっていながらも、自分の頭の中に浮かんだ、しろくまをかき込んでいる私という映像が脳裏から離れなくなってしまいました。

そこで私は、親戚とお酒を飲んでいる両親を置いて天文館の方に行きましたが、さすが人気のお店。

たくさんの人が並んでおり、このまま待っていると営業終了時間に引っかかってしまうと思った私は、早速あきらめて近くのスーパーに寄って市販されているしろくまを買い、朝日通り近くの西郷隆盛像の前に行きました。

せめて、ここまで来たからには「鹿児島感」を感じずにはいられなかったのです。

寒さが首をもたげ紅葉が夜の街灯の明るさに照らし出され、コートを着ている人が私の前を素通りする。そこで西郷隆盛さんのお顔を眺めながらかき氷を食べる私は周りにどのように見られていたのでしょうか。



私もなんだか意固地になってしまって。 少し離れた場所から銅像の一本一本のシワが見えるほどに目を見開いて練乳を味わったのでした。

やっぱり外で食べるかき氷は美味しい。室内で食べるのは、なんだか余計に寒さを感じてしまっていけない。 片手で持つのがやっとなほどの大きさの白熊をかじかんだ手で少しずつ溶かしながら、ゆっくりと食べていきます。

なんだか根競べの様相を呈してきていました。

1/3を食べてしまったので、もはや後に引くことはできません。

応援してくれるのは、何も言わない西郷隆盛像だけです。美味しいんだけれども辛い。辛くて寒い。しゃくしゃくしゃくしゃくと音を立てながら、頭に痛みを伴いながら、その痛みを足元のコノハにぶつけながら、美味しく頂いていました。

道行く人々をじっと見続けるわけにはいかないのですから、 西郷隆盛像を上から下へなめ回すように見ています。 

不思議なもので銅像というのは、じっと見ているとなんだか頭の中で言葉を喋ってくれるものです。

私も例外に漏れず、じっと銅像の言葉に耳を澄ませていると、西郷隆盛は私に言いました。

「書を捨てよ、 旅に出よ」と。

 なぜ寺山修司氏のお言葉をもじって私に伝えたのか分かりませんが、とにもかくにも私は旅に出ずにはいられませんでした。

そこから先は異常なほど事はサクサク進みました。

帰って酔いつぶれた両親を説得するのに時間はかかりませんでした。

父と母は新幹線を翌日にとって舞鮫町まで帰るつもりだったのを、私だけそのプランから抜いてもらって、更に二泊して帰ることにしました。

一泊目のホテルを取るのは簡単でした。 

私はここ最近なかったくらいに気分が高揚して、寝付けない夜を過ごしました。