年末年始に遊んで面白かったゲームを紹介します。(最終回)
アンリアルライフ
-先に進まず、立っていたい青い世界‐
高知能AIを搭載した信号機と記憶を無くした少女の組み合わせに、どうしてこれ程まで魅かれてしまうのでしょうか。
ひとつは、「待つ」という行為がとてつもない程に感情を動かされるものだからだと思います。大宰治の『待つ』という作品のように。
あなたを待ってくれる人は味方であなたを待ってくれない人が敵です。
少女を待っていた人達を辿ることで、なぜ彼女が記憶を失ったのか、その理由が明らかになっていきます。
もう一つは青。信号機の赤と対比した、青色。
私達が青という色に期待することを余さずにしてくれます。
夜の青、水の青。透き通る心と体。
異世界をめぐる神秘的な体験と死。
ドット絵の豊かな色彩は、少女をいつまでもそこに佇ませたくなるのです。
ストーリーの終着先はどこかで見たことのあるものではありますが、登場人物達の組み合わせが奇抜だからこそ、帰ってくる場所が確かである安心があります。
現実的な非現実で佇みたいあなたにお薦めです。
是非体験してみてください!
日橋喩喜でした。