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2019年5月13日月曜日

お酒の思い出

私は21歳なのでお酒を飲むことができます


しかし、普段飲むことありません。飲むと悲しくなるから


二十歳を迎えた日私は、一人居酒屋に繰り出しました。合法的にお酒を飲んでみたかったからです


初めてのお通しに何を頼めば通なのかわからないメニュー群


舌がお子ちゃまな私は、とにかく鳥のメニューを片端から頼みました

美味しい


唐揚げ、焼き鳥、チキン南蛮、チキンドリア


その晩だけで鶏一羽は食べ尽くしたと思います


その日飲んだのはビールでした。銘柄はよく覚えていません


とにかく苦く、のどごしが辛く、なぜこれが成人になったら許可されるご褒美的立ち位置なものであるのか、私には分かりませんでした


小ジョッキを半分ほど飲んだ時、残っていたお通しのポテトサラダが丸いボールに見えました。牛柄模様でよく跳ねそうです


私にはそのポテトサラダが牛柄のボールに似ている反面、自分の理性ではきちんとポテトサラダとわかっているのでただただ不安に思いました


それからチキン南蛮が馬の逆立ちに見えます


そして チキンドリアが魔女の煮た鍋に見えるのです


私はとにかく恐ろしく思いました。そして悲しく思いました


自分にはお酒を飲む適正がなかったのだと思うと同時に、これからも自分の喉が年齢ばかり重ねて、大人になれないんじゃないかという漠然とした不安が私の酔った頭に流れ込み、ついでに目から涙が溢れました


私は小ジョッキを一杯飲み終えるとお金を払って夜風にあたることにしました


飲み物を飲んできたのに、やけに喉が渇きます


これがビールの苦味というやつか、苦いものを飲んだら喉が渇くものね


お酒のような苦いものを飲んだら喉が渇くものね


私が鳥居の近くを通りかかった時、自動販売機があったので、そこで私はりんごジュースを買いました。ごくごく飲めるやつです。


鳥の上には大きな月が輝いていました


夜風がいつもより気持ちいいのは、発見でした。


私はその月に対してりんごジュースを高くかかげ、成人の夜に見た月に乾杯と言ってそのジュースを飲み干しましたとさ。


乾杯!
その思い出に乾杯!